相撲編【相撲 大相撲力士の健康管理に関する取り組み調査 その2】
現役力士の食生活の現状ー調査の様子「時津風部屋  第2回 2005/10/1up」
下記の表は現役力士を対象に、食事と水分補給に関するアンケートを行なった結果をまとめたものです。
現役力士の食事と水分補給に関するアンケート
現役力士31名を対象に食事と水分補給に関するアンケートを行なった結果。
アンケートを記入する力士の負担を少なくするため、水分やアルコールの摂取量は大まかに書き出してもらった。
第一に感じたことは、水分補給に対する意識がかなり進行していることです。激しい稽古中は大量の汗をかき、体内の水分とともに電解質が失われるため、適切な水分補給を行なわずに稽古を続けると脱水や熱中症を引き起こす危険性があるため、充分な配慮が必要になります。この点、7割以上の力士が朝稽古の前に水分を補給し、6割以上が稽古場以外でも水分を積極的に摂っていることは好ましい結果といえます。
次に、長年朝食抜きが踏襲されてきた相撲の世界で、朝稽古の前にバナナやおにぎりなどを軽くつまむ力士が4名いたことは意外でした。
数年前、先代の時津風勝男親方の部屋では力士のけがや肥満、生活習慣病の予防に、角界で初めて1日3食制を導入し、大きな話題を呼びました。先代の時津風部屋では、血糖値が高く病院で栄養指導を受ける力士の健康を気遣い、医師や栄養士と相談を繰り返しながら、稽古前にバナナやパン、牛乳などを摂るように指導しました。

その結果、血糖値などの数値にはあまり変化はみられなかったのものの、朝食を導入した翌年の部屋別休場率では先代の時津風部屋が最も低く、1日3食制の効果が確実に上がっていると新聞で報ぜられました。
代の時津風部屋では、力士たちが、自分自身の体づくりや健康について考えるきっかけになったことが何よりも大きな収穫だと考えています。

朝食抜きの食生活は、医学的にも脂肪がつきやすく、糖尿病をはじめ、いくつもの生活習慣病を誘発しやすいことがわかっています。また、スポーツをする際、集中力や注意力、判断力などの低下にもつながるため、けがの予防の観点から、朝食導入を相撲の世界にも取り入れてみてはどうかと考えます。
今時の力士たちの好きなちゃんこは、一般の育ち盛りの男子と同様に、焼肉や鶏のから揚げなどの肉料理が主流。反対に、嫌いなちゃんこは、魚や野菜を使った料理です。

相撲部屋の食事は、部屋ごとに多少の違いはあるものの、ふだんは昼に肉や魚、豆腐、野菜などを煮込んだ鍋を食べ、夜はカレーライスやハンバーグ、スパゲティーなど5~6種類の料理が用意されます。本場所中は、その逆で、昼に一品料理を食べ、取り組みの終わった夕食に鍋が用意されます。 おかみさんやちゃんこ番の話では、最近の力士たちは好き嫌いが多く、せっかく栄養のバランスを考えて献立を立てても、自分の嫌いなおかずにはあまり箸をつけないといいます。そして、お腹が空けば外で弁当やハンバーガーなど、自分の好きなものを買って済ませています。
主食の米を丼5~6杯以上食べ、体を大きくしていた昔と違い、今は日常食べるおかずや加工食品などから、気がつなかいうちに必要以上の脂肪や砂糖、塩分などを摂取しています。

現に、力士たちが間食に外で買っているものにはこれらの栄養素が多く含まれており、肥満や生活習慣病を誘発する原因になっていることは否定できません。

アルコールに寛容な相撲の世界では、場所中でもお酒は自由に飲めます。ストレスにさらされることが多い勝負の世界では、適量のアルコールはリラックス効果が期待できる、というのがその理由です。

しかし、アルコールも飲み過ぎれば過剰なエネルギーとなります。肥満や血糖のコントロールが必要な場合は飲まないに越したことはありません。
また、摂取する量やタイミングによっては脱水や疲労の原因となり、競技力を低下させることにもつながるため、注意が必要です。
幸いなことに、昔に比べて最近の力士はあまりお酒を飲まない、というのが関係者の一致した意見です。
  • サッカー編
  • ラグビー編
  • 相撲
  • その他